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虫歯の逆襲! [つれづれ帳]

虫歯の逆襲!

~私の体験記~

これは高校生の時の話。
自分から見て、下右奥から2番目の永久歯が虫歯になっていた。この虫歯は抜け替わったときにすぐ虫歯にやられてしまったもの。近所の商店街にある歯科医院で治療してもらったが、これがとんでもないヤブ医者だった。必要以上に深く削られ、あろうことかミスって神経まで抜かれてしまったのだ。今なら絶対医療ミスだろう。
詰め物も技術が下手なせいか高校の時に痛んできた。その歯が異常に痛くなんか歯がぐらついているではないか。歯茎も腫れてきてぶよぶよしている。かなりヤバイなと思い歯科医院に行くことにした。その時は引っ越していたので、近所に本当に上手い先生が居たのだ。
さて病院に行くと休業日ではないのに張り紙がしてある。「八丈島に検診に行きます」とあるではないか!うそだろうと何度も見返すがその張り紙はそこにある。戻るのは2日後とある。ここは例の商店街の歯科医院に行く手もあるが、あそこだけは嫌だ。なので先生が戻ってくるまで我慢することにした。男の子は我慢である。
その日の夜辺りから痛さがさらに酷くなってきた。歯茎の腫れも大きくなっているみたいだ。食事が思うように取れない。なんか熱も出てきたようだ。でも我慢して寝た。よく寝れば少しは違うだろうと勝手に思った。だがそれは甘かった。
翌日からはもう一段強い痛さに変わった。痛さが鼓動のようにドクドクとするのだ。母にほっぺが膨らんでるよと言われて鏡を見ると、右のほほがぷっと膨らんでいる。それとすごい肩こり。熱を測ると38℃弱。とにかく冷やす。先生が戻るまであと1日ある。その日は母が柔道整体のおじさんが呼んでマッサージしてもらっていた。僕も肩の辺りをやってもらった。が、それで血行が良くなったのか、痛さのランクがさらに上がった。その日はさらに熱が上がり39℃辺りまで上昇。痛さズキンズキンズキンのドクッドクッドクッになった。こうなると冷やしても眠れない。
さて翌日は先生が戻ってくる。その希望を胸に過酷な拷問に耐えるのだった。ほっぺの腫れはさらに酷くなり、痛みは引き続く拷問のようで涙が出てくる。熱はとうとう40℃に近くなった。もう食べる余裕はない。しかし、痛いときって不思議と生きていることを感じるのはなぜだろうか?なんて考えている。翌日は先生が居る。頑張れ!という気力はすでに痛みで失せて、もうダメだの感覚が支配する。ぐったりとした身体に、意地悪くもゆっくり流れる時間と闘うのだった。
さて翌日朝一番で先生の所に。さすがに先生は「何でもっと早く来なかったの」とは言わなかったが、不在でごめんと言って見てくれた。まずは炎症を抑えるために抗生剤を貰った。炎症があるうちは本格的な治療が出来ないのだ。
診断の結果は「骨膜炎」だった。
ご存じ無い方が多いと思うので「骨膜炎」について説明。
虫歯の穴や歯周ポケットから細菌が入り込み、強い痛みや、腫れ、発熱などを引き起こす病気で、炎症がひどく歯茎だけでなく顎の骨を覆っている骨膜にまで達します。重症になると炎症が肺付近まで及ぶ事もあり、こうなると血液の中にまで細菌が入り込み全身にまわると死に至る事もあるそうです。
う~っ、そうとう恐い病気になってたんだ。抗生剤(抗菌剤)を飲んで炎症を押さえてから原因となる虫歯の治療を行う。若かったせいか薬を飲むと割にすぐ楽になった。炎症も治まり痛みもウソみたいに楽になった。そこでいよいよ治療に入る。歯を診て先生は「これは抜かないとダメだな」と一言。まだ永久歯は抜いた事がないので、これより未知の領域に突入。正直恐いです。歯を削るのもそうとう恐怖感がつのりますが、抜歯となるとまた違う恐怖感がつのります。
麻酔の注射針が歯茎に突き刺さる。ズブッという感じがし、ズッと針が歯茎に中に入っていくのだが、それが普通は顎の骨で止まるところが止まらない!まるで歯茎の反対側に突き抜けるような感じがするではないか。先生が「これ、骨、溶けてるね」と言う。思わず動揺する。こちらの動揺をよそに麻酔薬がググッという膨らむような感覚で注入されるのだが、なんか量が多いような気がする。麻酔薬があふれ出て舌にさわると、苦い味と共にすぐ舌が痺れてくる。
そこで麻酔が効くのを待つ。ふとイスの脇を見るとペンチみたいな道具が見える。そうだよな、抜く時は力わざだよな…。緊張感がさらに高まる。なんか動悸もする。麻酔が効いてきて、口のまわりが腫れぼったく感じるようになる。感覚が無くなる。いよいよ抜歯。実際、抜歯する時は最終的にはペンチを使い、力で引き抜く。先生の手がブルブルする位力が入る!時間が長く感じる。こちらの手にも力が入る。思い切り肘掛けを握りしめて耐える。どんどん引っ張られていく感じがするので、反発してこちらも力が入る。突然、引っ張られる感じがスッと無くなった。歯が抜けたのだ。ペンチで抜かれた歯は血だらけだった。自分の歯でも観たくない代物だ。とにかくホッとして、力を抜いた。奥歯の永久歯なので歯茎に大きな穴が開いたようになっている。少し休んで、これからこの穴を縫うのだ。
そこで痛みが出てきた。どうやら麻酔が切れてきたらしい。先生に呂律の回らない状態で「麻酔きれてきた」と言う。そこでまた麻酔剤を注射。思い切り麻酔薬が漏れまくっている!口中が苦いし痺れるしで気分が悪い。抜歯後の傷口を縫うのも、縫われている感じがちゃんとするが、痛くはない。「よく我慢したね」と先生に言われても、ぐったりで力なく頷くのみ。化膿止めと痛み止めの薬を貰って、「なんかおかしかったらすぐ来てね」と先生に送られて家に帰った。
家に戻った辺りから、麻酔も切れて痛みが出始めた。炎症を起こしていた時とは違う痛みだ。舌で傷口辺りを探ると穴が大きかったことが判る。その日は夕食が食べられなかった。痛みもかなり酷くなってきたのが、炎症を起こしていた時よりは楽だと思った。なので痛み止めは最初の1錠だけしか使っていない。あとはひたすら痛みを耐えた。日に日に痛みは和らぎ傷も塞がっていった。

教訓としては、虫歯や歯周病は「痛くないから大丈夫」などと安易に考えてはいけません。定期的に歯科医院に行き治療の必要な歯は治しておくにかぎります。これ経験者の忠告、心して肝に枚ずるべし。

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