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初めてのパトカー [つれづれ帳]

初めてのパトカー

~私の体験記~

これはだいぶ昔に会社で仕事をしていた時の話。
会社の同僚と会社の車で打ち合わせに出かけた。車の運転は同僚がしていて、僕は助手席に乗っていた。曇りだった天気がさらにくずれて、やがてポツポツと雨が落ちてきた。
車は丁度十字路で右折するところだった。ほぼ右折が終わったあたりで、傘を差した自転車が突っ込んで来た。自転車の人は傘で完全に前が見えていなかった。僕の方が先に気づいて同僚に「ブレーキ!」と叫んだ。車はすぐ停まったが傘を差した自転車はそのまま突っ込んできて、ドンッ!という音と共に自転車の人がボンネットの上にドサリッと転落してきた。自転車の人は学生らしい男性ですぐに立ち上がって、しきりに僕たちに謝っていた。自転車は少し歪んでいたが、本人には怪我もなく、本当になんともなかった。だが、近くの商店の人が慌てて出てきて「警察を呼んだから居てくれ!」と言うのだ。自転車の本人も警察は呼ばなくていいですと断っているのに、商店の人は譲らない。その理由が以前、やはり事故があり警察を呼んだとき、事故の当人たちが居なくなってしまった。なのでまた当事者が居ないと、電話をした自分としては困るという事であった。そしてご丁寧に腕を捕まれてしまいどうにも動きが取れない。
そのうちパトカーと救急車が来た。警察の現場検証に立ち会う。現場検証は完全に警察のペースだ。自転車の学生は救急車の人と話していたが、やはりなんともないようだった。でも、一応病院に向かった。助手席の僕は第一発見者として調書を取られる事になった。会社の車は警察官が運転して所轄の警察に先に向かった。僕はひとりパトカーに乗せられて、横には警察官が付きそう。なんか自分が犯人になったような感じになる。パトカーに乗るとき思わす世間体を気にしてしまった。何故かニュース映像の顔を隠す犯人を思い出す。しかし初めてのパトカー乗車だった。それはそれでなんだか嬉しい。
そして警察署で取調室に入る。これだぁ、あのドラマとかの取調室だ。机がひとつ、パイプ椅子。スタンドこそ無かったが間違いなく本物の取調室だ。そこで調書を取るのだが、自分で書くのだと思っていた。だが、そうではなく担当の警察官が事情を聴きながら文章をまとめるのだ。これは知らなかった。運転していた同僚が必ずしも悪いという状況でなかったので庇うような発言をすると、すかさず「もっと注意していれば、よかったんじゃないか」とか、上手く答えを誘導していくではないか。これか‥‥官権の力ってのは!とは思っても警察官の誘導のままに答えるより仕方なかった。15分位で調書は出来上がり、署名をする。あっけなく終わった。運転者の同僚の方の調書がまだ終わっていなかったので、警察官と世間話をしているうちに雑談となり、下世話な話題で盛りあがってしまった。そういえば警察官と話していて大笑いしたのは初めてだ。あとで、同僚に怒られた。「なんで、楽しそうに笑ってるんだよ。こっちは大変だったんだから」と。幸いなことに、やはり自転車の学生に異常はなかった。









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