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空き巣に入られた時のこと [つれづれ帳]

空き巣に入られた時のこと

~私の体験記~

まだ、独身の頃住んでいたのは、六畳一間と台所、トイレ付きのアパートだった。ちなみにお風呂はない。仕事も始めたての新人だった。
使っていたモノクロテレビが壊れたので、新しいのを買おうと金曜日に3万円ほど預金から引き出しておいた。
当時、まだ土曜休日という会社は無かったので、翌日は仕事に行った。その日は忙しくて、帰りは夜の11時過ぎになってしまった。帰宅して六畳間に入り電気を点けると万年床の上に様々な物が山積みになっているではないか。「え~っ、なんだよこれ。地震なんかなかったし、おかしいな?」と部屋全体をよく見ると、タンスの扉は開いているし、引き出しという引き出しは、すべて途中まで引き出されている。しばらく思考が停止していたが、その引き出しの中身が万年床にぶちまけられている、とやっと認識した。よくよく見れば泥の付いた靴の跡もある。慌てて仕舞っておいた3万円の引き出しを確かめる。ない!ないじゃないか!これはもしかして泥棒と思ったが、雨戸はしっかり閉まっているし、窓の鍵は掛けていなかったが、雨戸の鍵が掛けてあるので雨戸は開かないはず。出かける時に玄関の鍵もちゃんとかけていた。
隣のアパートに両親が住んでいたので、母にも見てもらった。「これ、泥棒じゃないの」やっぱりと納得。現場には手を触れず、すぐに警察に連絡した。さほど待つこともなく刑事さんと鑑識の人が到着して現場を見て検証を始めた。
やがて完全に鍵の掛かった状態で、なぜ室内に入れたのか明らかになった。この六畳間には窓が北側と西側にある。西側は1メートルほどの庭と低い塀があり、行き止まり道に接している。この西側の窓の下には掃き出し口がある。いわゆる箒で掃いて集めたゴミを外に掃き出す小さな窓である。どうやら泥棒はこの掃き出し口を外して中に入ったようだ。実際、この掃き出し口は鍵が掛かっていても、上に持ち上げるようにすると簡単に外れた。泥棒は、この掃き出し口から手を入れて、鍵の掛かっていない窓を開け、雨戸の鍵に手をかけて開けたようだ。そして、引き出しの中身を次々と音のしない万年床にぶちまけ、必要なものだけを盗んでいった。そう刑事さんに言われた。
すごく不思議だったのはその日に限って現金をおいていたこと、翌日には秋葉原にテレビを買いに行く予定だった。刑事さん曰く「お金のにおいがわかるプロの仕業だな」と言う。なんのことはない泥棒の方に運がついていたという事か。現金の他に盗まれた物は金のタイピンだけだったのでどうということはなかったが、やはり現金はきつかった。テレビを買おうと思い貯めておいたお金で、当時の給料からみても大金だった。さらに刑事さん曰く「犯人と遭遇していなくてよかった。刺されることもあるから」そうか、犯人と鉢合わせになったら絶対格闘してやると思っていたが、刺されるのは割に合わない。
母はこのことを翌日、昔からの母の親友に電話して話した。そうしたら、その小母さんがなんと10万円出してくれた。なのでカラーテレビが買えた。空き巣被害に遭ったが目的のテレビはモノクロからカラーになった。

これは警察からの注意事項。どんな些細な空き巣でも必ず警察に届ける事。これは余罪を追及している時に被害届が出ていない場合があると捜査に支障を来すとの故。














タグ:空き巣 六畳
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