「ラプソディ-血脈の子-」(上・下)/エリザベス・ヘイドン [こたきちの図書室]
題名:「ラプソディ-血脈の子-」(上・下)
作者:エリザベス・ヘイドン
この波瀾万丈さは、女性が主人公となっているファンタジーでも、きっと群を抜いていると思う。キャラクターの魅力、性格、考え、思いもよく描けている。壮大な設定と活き活きした物語展開がマッチしていて、自分が立会っているかのような感じさえする。それでいて重厚なのがすごい。
作者:エリザベス・ヘイドン
この波瀾万丈さは、女性が主人公となっているファンタジーでも、きっと群を抜いていると思う。キャラクターの魅力、性格、考え、思いもよく描けている。壮大な設定と活き活きした物語展開がマッチしていて、自分が立会っているかのような感じさえする。それでいて重厚なのがすごい。
「鳥姫伝」/バリー・ヒューガート [こたきちの図書室]
「アルジャーノンに花束を」/ダニエル・キイス [こたきちの図書室]
題名:「アルジャーノンに花束を」
作者:ダニエル・キイス
この有名な物語を、私としては単なるSF小説としたくない。経過報告のかたちで語られる一人称では、初め間違いだらけの文章が、だんだん知的になって行く。この語り口が効果的であり、主人公の気持が素直に語られている。短編の方を読んでいたが、長編版がハードカバーで出たのでそちらも読んだ。作者の中の何かがはじけたと言おうか、単なる焼直しとは違う盛り上げがあり、恋愛小説の読後に似ていた。ここではSFという要素はスパイスだと思う。だんだん天才になる気持、そして、だんだん退化していく気持、好きになる気持、みな切ないほどに心に残る。「アルジャーノンに花束を」の台詞が痛々しくもすべてを語っている。
作者:ダニエル・キイス
この有名な物語を、私としては単なるSF小説としたくない。経過報告のかたちで語られる一人称では、初め間違いだらけの文章が、だんだん知的になって行く。この語り口が効果的であり、主人公の気持が素直に語られている。短編の方を読んでいたが、長編版がハードカバーで出たのでそちらも読んだ。作者の中の何かがはじけたと言おうか、単なる焼直しとは違う盛り上げがあり、恋愛小説の読後に似ていた。ここではSFという要素はスパイスだと思う。だんだん天才になる気持、そして、だんだん退化していく気持、好きになる気持、みな切ないほどに心に残る。「アルジャーノンに花束を」の台詞が痛々しくもすべてを語っている。
〈海の男/ホーンブロワー・シリーズ〉1~12巻/セシル・スコット・フォレスター [こたきちの図書室]
題名:〈海の男/ホーンブロワー・シリーズ〉1~12巻
作者:セシル・スコット・フォレスター
いわゆる海洋冒険小説で帆船(戦艦)が大活躍する。それまで帆船が出ている本格的な物語は、全く読んでいなかったので非常に新鮮だった。
主人公であるホーンブロワーは、英国海軍士官候補生から手柄を立てて、だんだん昇進していく。主人公の成長が楽しみでもあり海軍での階級の重さも痛感する。また、彼自身の悩みや苦悩、痛み、愛情など、人間としてのホーンブロワー自身が描かれていて、読みどころになっている。当時の帆船(戦艦)では、艦長は絶対的な存在であり人間としての資質を強く問われる。ホーンブロワーは人の情を知り、人を蔑まず、人にやる気を起こさせる等々、そういった心の持ち主に拍手を送りたい。しかしこのホーンブロワーは艦長になっても大時化の時は船酔いするのだから余計に親近感が湧く。
他に、海での戦闘態勢、航路の取り方、大砲の打ち方、帆の張り方、帆船独特の名称、食料、怪我は致命的になりうるなど、面白い要素がたっぷり描かれている。
作者:セシル・スコット・フォレスター
いわゆる海洋冒険小説で帆船(戦艦)が大活躍する。それまで帆船が出ている本格的な物語は、全く読んでいなかったので非常に新鮮だった。
主人公であるホーンブロワーは、英国海軍士官候補生から手柄を立てて、だんだん昇進していく。主人公の成長が楽しみでもあり海軍での階級の重さも痛感する。また、彼自身の悩みや苦悩、痛み、愛情など、人間としてのホーンブロワー自身が描かれていて、読みどころになっている。当時の帆船(戦艦)では、艦長は絶対的な存在であり人間としての資質を強く問われる。ホーンブロワーは人の情を知り、人を蔑まず、人にやる気を起こさせる等々、そういった心の持ち主に拍手を送りたい。しかしこのホーンブロワーは艦長になっても大時化の時は船酔いするのだから余計に親近感が湧く。
他に、海での戦闘態勢、航路の取り方、大砲の打ち方、帆の張り方、帆船独特の名称、食料、怪我は致命的になりうるなど、面白い要素がたっぷり描かれている。
パナマの死闘 (ハヤカワ文庫 NV 80 海の男ホーンブロワー・シリーズ 5)
- 作者: セシル・スコット・フォレスター
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1974/11
- メディア: 文庫
セーヌ湾の反乱 ハヤカワ文庫 NV 138 海の男ホーンブロワー・シリーズ 9
- 作者: セシル・スコット・フォレスター
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1977/04
- メディア: 文庫
決戦バルト海 (ハヤカワ文庫 NV 124 海の男ホーンブロワーシリーズ 8)
- 作者: セシル・スコット・フォレスター
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1976/10
- メディア: 文庫
海軍士官候補生 (ハヤカワ文庫 NV 36 海の男 ホーンブロワーシリーズ 1)
- 作者: セシル・スコット・フォレスター
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1973/02
- メディア: 文庫
海軍提督ホーンブロワー (ハヤカワ文庫 NV 172海の男 ホーンブロワーシリーズ 10)
- 作者: セシル・スコット・フォレスター
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1978/05
- メディア: 文庫
砲艦ホットスパーハヤカワ文庫 NV 59 海の男ホーンブロワー・シリーズ 3
- 作者: セシル・スコット・フォレスター
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1974/01
- メディア: 文庫
トルコ沖の砲煙 (ハヤカワ文庫 NV 70 海の男ホーンブロワー・シリーズ 4)
- 作者: セシル・スコット・フォレスター
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1974/06
- メディア: 文庫
スペイン要塞を撃滅せよ (ハヤカワ文庫 NV 58 海の男ホーンブロワーシリーズ 2)
- 作者: セシル・スコット・フォレスター
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1973/12
- メディア: 文庫
「竜と竪琴師」/アン・マキャフリイ [こたきちの図書室]
題名:「竜と竪琴師」〈パーンの竜騎士⑩〉
作者:アン・マキャフリイ/小尾芙佐訳 ハヤカワ文庫SF1618
大好きな竪琴師ノ長ロビントンの半生が描かれています。何時もながらの目の前に絵が浮かぶような、色彩まで感じられる筆致に圧倒されます。竜と隙間に入るときのゾクゾク感も健在です。ロビントンの性格が気持ちよく描かれています。そして、それを支える生活もしっかりと描かれています。本編ではすでに亡きロビントン師ですが、彼の生い立ちを目の当たりにすると、なんか涙が出ます。本当に好人物でした。偉大な才能を発揮しパーンの歴史に刻まれる人物として、その心の豊かさを竪琴にのせて奏でてくれたら、これこそ最高の心への癒しとなりましょう。読了して暫く目を閉じて、パーンの物語全体を思うと、師の偉大さが胸に響きます。僕にとってこれはそういう作品でした。
作者:アン・マキャフリイ/小尾芙佐訳 ハヤカワ文庫SF1618
大好きな竪琴師ノ長ロビントンの半生が描かれています。何時もながらの目の前に絵が浮かぶような、色彩まで感じられる筆致に圧倒されます。竜と隙間に入るときのゾクゾク感も健在です。ロビントンの性格が気持ちよく描かれています。そして、それを支える生活もしっかりと描かれています。本編ではすでに亡きロビントン師ですが、彼の生い立ちを目の当たりにすると、なんか涙が出ます。本当に好人物でした。偉大な才能を発揮しパーンの歴史に刻まれる人物として、その心の豊かさを竪琴にのせて奏でてくれたら、これこそ最高の心への癒しとなりましょう。読了して暫く目を閉じて、パーンの物語全体を思うと、師の偉大さが胸に響きます。僕にとってこれはそういう作品でした。
「膚の下」(上・下)/神林長平 [こたきちの図書室]
「ダーク・タワー」 I~VII(文庫全16冊)/スティーヴン・キング [こたきちの図書室]
「イマジカ」 1~4/クライヴ・バーカー [こたきちの図書室]
題名:「イマジカ」 1~4
作者:クライヴ・バーカー/訳:加藤洋子(扶桑社ミステリー刊)
いやぁ、読んでぶっ飛んだ!SF、ファンタジー、ミステリーとかのジャンル分けは意味がない、圧倒的な世界観。長さが苦にならない密度の濃い、イマジネーション溢れる色彩感にまさに圧倒されたのだ。読みやすい翻訳がさらに深く物語にのめり込む要素にもなっている。
ごく最近になって、「ヘルレイザー」という映画の監督もやっていることを知った。この映画は観ていたのにまったく気づかなかった。こちらも、なにかストレンジな感じのする強烈な映画だった。こちらは、観る人によっては拒否反応の起きるかもしれない。
作者:クライヴ・バーカー/訳:加藤洋子(扶桑社ミステリー刊)
いやぁ、読んでぶっ飛んだ!SF、ファンタジー、ミステリーとかのジャンル分けは意味がない、圧倒的な世界観。長さが苦にならない密度の濃い、イマジネーション溢れる色彩感にまさに圧倒されたのだ。読みやすい翻訳がさらに深く物語にのめり込む要素にもなっている。
ごく最近になって、「ヘルレイザー」という映画の監督もやっていることを知った。この映画は観ていたのにまったく気づかなかった。こちらも、なにかストレンジな感じのする強烈な映画だった。こちらは、観る人によっては拒否反応の起きるかもしれない。
「名探偵のコーヒーのいれ方」/クレオ・コイル [こたきちの図書室]
題名:コクと深みの名推理 ①②③
「名探偵のコーヒーのいれ方」「事件の後はカプチーノ」「秋のカフェ・ラテ事件」
作者:クレオ・コイル/小川敏子訳(ランダムハウス講談社刊)
ビレッジブレンドという老舗のコーヒー・ハウスのマネージャー、クレアが主人公のライトな推理小説シリーズ。なんと云ってもコーヒー好きにはたまらない。まるでコーヒーの香りがするような描写がオシャレだ。コーヒーに関係したレシピも載っている。クレアの迷探偵ぶりに、周りの人々が振り回されるのも面白いが、元夫とのやりとり、娘に対する心配、新しいボーイフレンドやら、彼女の日常を取り囲む人物との出来事が、犯人捜しにブレンドされていてスムーズに読める。
「名探偵のコーヒーのいれ方」「事件の後はカプチーノ」「秋のカフェ・ラテ事件」
作者:クレオ・コイル/小川敏子訳(ランダムハウス講談社刊)
ビレッジブレンドという老舗のコーヒー・ハウスのマネージャー、クレアが主人公のライトな推理小説シリーズ。なんと云ってもコーヒー好きにはたまらない。まるでコーヒーの香りがするような描写がオシャレだ。コーヒーに関係したレシピも載っている。クレアの迷探偵ぶりに、周りの人々が振り回されるのも面白いが、元夫とのやりとり、娘に対する心配、新しいボーイフレンドやら、彼女の日常を取り囲む人物との出来事が、犯人捜しにブレンドされていてスムーズに読める。
名探偵のコーヒーのいれ方 コクと深みの名推理1 (ランダムハウス講談社文庫)
- 作者: クレオ・コイル
- 出版社/メーカー: ランダムハウス講談社
- 発売日: 2006/10/02
- メディア: 文庫
危ない夏のコーヒー・カクテル [コクと深みの名推理] (ランダムハウス講談社文庫)
- 作者: クレオ コイル
- 出版社/メーカー: ランダムハウス講談社
- 発売日: 2008/04/10
- メディア: 文庫
事件の後はカプチーノ [コクと深みの名推理2] (ランダムハウス講談社文庫)
- 作者: クレオ・コイル
- 出版社/メーカー: ランダムハウス講談社
- 発売日: 2007/03/31
- メディア: 文庫
秋のカフェ・ラテ事件 [コクと深みの名推理3] (ランダムハウス講談社文庫)
- 作者: クレオ コイル
- 出版社/メーカー: ランダムハウス講談社
- 発売日: 2007/10/02
- メディア: 文庫
「ハリー・ポッターと死の秘宝」㊤㊦/J.K.ローリング [こたきちの図書室]
題名:「ハリー・ポッターと死の秘宝」㊤㊦
作者:J.K.ローリング
ハリー・ポッターのシリーズ最終巻となる第7巻目です。初めて第1巻を読んでから、なんと10年近くこのシリーズに付き合って来たことになります。第1巻ではまだ幼かったハリー・ポッターも、巻を重ねる毎に成長し、ついに最後の対決を迎えます。期待を裏切ることなく最終巻にふさわしい物語です。すべての謎が明らかにされ、最後の壮絶な戦いが展開します。特に第33章はこの物語の核になっています。すべての巻に「愛」がありました。この最終巻にも「愛」があります。両親の愛、家族の愛、友情、誰かを好きになる、自己愛、秘めたる愛、そしてなによりも作者の愛情がこもった作品ではないでしょうか。良かったです。
作者:J.K.ローリング
ハリー・ポッターのシリーズ最終巻となる第7巻目です。初めて第1巻を読んでから、なんと10年近くこのシリーズに付き合って来たことになります。第1巻ではまだ幼かったハリー・ポッターも、巻を重ねる毎に成長し、ついに最後の対決を迎えます。期待を裏切ることなく最終巻にふさわしい物語です。すべての謎が明らかにされ、最後の壮絶な戦いが展開します。特に第33章はこの物語の核になっています。すべての巻に「愛」がありました。この最終巻にも「愛」があります。両親の愛、家族の愛、友情、誰かを好きになる、自己愛、秘めたる愛、そしてなによりも作者の愛情がこもった作品ではないでしょうか。良かったです。
「ハリー・ポッターと死の秘宝」 (上下巻セット) (ハリー・ポッターシリーズ第七巻)
- 作者: J. K. ローリング
- 出版社/メーカー: 静山社
- 発売日: 2008/07/23
- メディア: ハードカバー